御忍び温泉旅行

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 結局、ダラダラと過ごし、その日の夜も泊まる事にして、藤河さんが持参した缶チューハイで乾杯をした。 御互いにザルなので、量は結構持ってきてくれていたが、酒の肴に色々な話をし、気付けば全ての缶チューハイを2人で空けてしまい、先に眠くなったと言う藤河さんに付き合って一緒に眠りに就いた。  …学院に帰れば、また何時もの生活になる。 毎日、作品を描いたり講義を受けたり…。 だけど、監視カメラが付いている為に、何時からか俺と藤河さんはマークされているのか、外に出ると2人で話せる事が少なくなった。  勿論、沢山の友人達と常に飲み会を開催したりして、愉しく過ごす時間も好きだ。 だけど、部屋は監視カメラは付いていない筈なのに、其処まで誰かに見られてる…そんな気配すら感じる様になっていた…。 司書の恋人と何時かは来たい…そう思いながらも、俺の中には藤河さんと、誰の何の気兼ねもなく逢える場所として、またこうして此処に来たい…そう思いながら眠りに堕ちていった…。
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