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そんな関係だったのが、この日に最悪の形になったのだ。
藤河さんが知らぬ間に恋人が出来て、後に知らせた時は祝福もしてくれた。
だけど、藤河さんの中には明らかに【親友を司書に盗られた】と言う思いが強くなっていた様だった…。
その思いは俺にもやはりあったが、藤河さんに恋人が出来きても、恋人さんに対して意地悪をする訳でもない。
唯、藤河さんが俺の恋人に厳しい様に、俺も藤河さんの恋人には厳しかった…。
闇雲に厳しかった訳ではなく、理不尽な時にのみだったと俺は思うが、どうやら料理の腕が一番恋人さんの反感を買ったらしい。
藤河さんは料理が全く出来ないタイプ、俺はその逆。
その為、恋人さんが御飯を作った時に俺と比べる様な言葉をチラッと溢し、なまじ少し知っていた相手だった為に、更に大喧嘩になってしまったのだとか…。
その時ばかりは、藤河さんも軽率だったが、俺達は互いに、恋人とは別れても待っていてくれてる相手が居るのだと確信していたから、何処か安定していたのだろう…。
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