才 ~生い立ち~

2/3
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
『ツモ』 『国士無双』 『なに~また役満かよ!?やってられっか』 バサッ 男は金を置いて卓を離れた。 俺の名わ【ユウゴ】 関東じゃちっとわ名の知られてるギャンブラーだ。 俺がギャンブルに出会ったのは、六歳の時だ。 親父に連れて行かれた雀荘。俺はよく連れて行かれてた。母親は居なく、親父わギャンブラー。 親父には、多額の借金があり俺が2歳の時に離婚したらしい。 親父には、ギャンブルの才能がない。 子供の俺が見ても分かるほどだ。六歳が雀荘に居たってつまらない。いつも泣きわめいてたっけな。 俺が中学にあがる頃には一緒に麻雀をしていた。なんだかんだで仲良かったんだぜ。 だけど中3の夏に親父は死んだ。家で首吊って、借金があまりにも膨らんだせいだ。 俺は親父にギャンブルわ嫌いだと日頃から言っていた。『ギャンブルなんかやめちまえ』と、 家族をバラバラにしたんだ当たり前だと思う。 だけど心の中では、それとわ違う感情があった。 自分のもっているものすべてを賭けてるかの如くひたすら打つ。 そんな親父の姿、男としては、ちょっと好きだったのかも。 だから俺は今ギャンブラーとして生きてるのかもしれない。 親父が死んでから生きてくためにギャンブラーになったってのもあるけどな。 嫌いだったギャンブルで生きてくってのも皮肉だよな。でも親父には、少なからず感謝している、俺にギャンブルを教えてくれて。 でも俺が関東で有名になれたのは、俺に[才]があったからだ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!