零れる笑みは君を想うから

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普段の生活に於いて、この階段を急いで利用する事は無い。 朝は、始業時間の30分前には到着するように心掛けているし、終業時間後に立てる予定も同じく30分~1時間程度早く到着出来るように設定していた。 これは「心と時間には常に余裕を持て」という父の言葉に依る。 感情に揺さ振られる事など無かったから、それは容易な事だった。 しかし、今夜の待ち合わせの相手に限っては、その思考が消える。 早く会いたい。 ただそれだけで頭が一杯になる。
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