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「・・・・」
(何っか調子狂うな・・・マンガでも読むか!)
「―――りゅうちゃん、ウーロン茶で良かった?冷蔵庫にペットボトルが入ってたから勝手に開けちゃったけど」
開けっ放しにしておいた部屋のドアから壱花が入ってきた。
「あ~・・・」
ベッドに仰向けに寝ころがりながらマンガを読むオレは適当な返事しかしない。
壱花は部屋の真ん中の、さっき教科書を広げたテーブルの上にウーロン茶の入ったグラス二つを置くと「あっ」と声を上げてオレの手元を指差した。
「そっそれ!前にあたしが持ってきた『ニコニコうさぎとポエポエたぬき』の5巻!りゅうちゃん読んでるの!?」
「他に読むモンなかったから読んでるだけ」
「けど5巻まで読んでるよね!おもしろかったの?!ねっおもしろかったの!?」
「??別に、フツー」
(何だ?急にテンション高くなってね?)
「ねっねっ!おもしろかったんなら続きもってくるよ!?」
「は~?だからフツーだって言ってんだろが!」
「いやいや遠慮しなくていーよ!明日!明日持っていくねっ!」
「別にしてねーっつの!」
(意味わかんねえー)
変なやつ。
さっきまでむくれてたくせに、急に嬉しそうな顔しやがって。
意味わかんねえー。
(こいつ・・・そんなにこのマンガ好きなのか!?)
「―――おい、ところでお前」
急にご機嫌になりやがった壱花に、そのままベッドに寝ころがったまま、ずっと聞きたかったことを何でもないような態度で聞いてみた。
「ここ一週間ぐらい見かけなかったけど、何かしてたわけ?」
居残り?
委員会?
補習授業?
週番?
「え!?会長に聞いたんじゃなかったの!?」
「・・・・」
Answer 秋山。
「は~~~~!?」
ガバッ!!
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