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(やっヤバイ!ヤバイヤバイヤバイ!!)
体を反転させて手で口を覆った。
ドクドクドクドクドクドク!!
今心臓が尋常じゃないぐらいの速さで音を刻んでる。
ドキドキドキドキドキドキ!!
(あ゛~~心臓うるさい)
キスは初めてじゃないのに、何でこんな心臓バクバクいってんだ!?
いや、
そういうことじゃない。
原因はそこじゃない。
「あ~~~~~!!」
(やっやばいだろ!なんだ今の顔!?あいつあんな顔すんの!?やばい!やばいだろ!)
びっくりした。
昔から見慣れてる壱花の顔なのに
オレの目に映った瞬間、
心臓に何かが打ち込まれたような感覚。
頭の中、多分赤色。
顔も多分赤色。
髪はもとから赤色。
って、全部赤じゃ顔と髪の区別つかねーじゃねえかよっ!
(ってバカなこと考えてる場合じゃねっつの;;)
ビシッ!
と手刀で宙を縦に切ってひとりツッコミ。
それからその手を今度は胸に持っていってやや左あたりのシャツをクシャッと掴んで
「はぁ~~~」
ひとつ、大きくて長い溜め息をついた。
マジでびっくりした。
こんなの初めてで直視できなかった。
だって・・・
(壱花ってあんなに睫長かった
け?壱花ってあんな唇ふっくら
してたっけ?壱花ってあんなに
―――・・・)
閉じられた瞳に
そこに落ちる長い睫
軽く閉じられた唇に
少し紅潮した頬
別に今日初めて見たわけじゃないのに、
だけど初めて見た気になった。
壱花って・・・
あんなにかわいかったっけ?
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