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「りゅう~~~~!!!」
ガバッ!!
「・・・・・」
コバンザメがいなくなって、教室を出て行く理由がなくなって、それでもドアの前に突っ立っていれば後ろからゆうすけがバカでかい声でオレの名前を呼びながら飛びついてきた。
「なぁ!今の壱花ちゃんのお友
達ちゃんだろ?なに?りゅうお
前、壱花ちゃんの次はお友達ち
ゃんに手出してるわけ?なにな
に~壱花ちゃんだけじゃ物足り
ないとか?それとももう壱花ち
ゃんに飽き―――」
バッ!!
ガシッ!!
「うわっ!!」
「ゆうすけ!!」
オレは肩にあったゆうすけの腕を振り切りながら体を反転させてゆうすけの胸倉を掴んだ。
「ごっごめっ!じょっ冗談だって~~;;」
「おい!!女ってどうやったら機嫌良くなるわけ!?」
「もうイタイのはいやだ~~~って、へ?機嫌!?」
「どうやったら機嫌直るのかって聞いてんだよ!!」
「ぐえっ!!」
掴んだゆうすけの胸元のシャツをグイッっと上にあげて答えを急かした。
「くっくるっ!えっえっと~~
あ!すっ好きなモノ!好きなものでもあげればコロっと機嫌変わるんじゃね!?」
「好きなもの!?んなもんで機
嫌が直るわけ―――・・あ!」
そこでやっとアレの存在を思い出したオレはゆうすけを前にドンと押すようにしてゆうすけを離した。
「そうか!そうだ!それだ!」
「げほげほっ!げほほ~・・・
あ゛~バカはまじ手加減知らね
えから困るっつーのぉ~・・」
人がせっかく次の行動へと意気込んでる横で何かボソっとつまんねぇことを呟いてんのが聴こえてきたけど、そこは口では触れずゲンコツで嗜めておいた。
「っだ~~~!!」
(りゅうのアホんだら~~!!
・・つか、前にも同じような質問されなかったけ?んで同じようなこと答えたような・・オレってレパートリー少ねぇ;;)
「よっしゃー!!」
(見てろバカ壱花め!!てめえの機嫌直すなんざこのオレにとっちゃ朝メシ前だぜ~~!!)
が・・・・・
「・・・・・いらない」
朝メシ前どころから昼メシにも間に合いそうになかった。
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