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「それでまだケンカ中?ははは!バカだな~!」
「・・・っせえよ」
放課後、オレの横で窓のカーテンが風を含んで大きく膨らむ。
冷たい風でもないのに、それでも髪を撫でる風が心地よく感じるから不思議だ。
「ははは~え?何て~?」
「・・・・」
机に突っ伏してるオレの声がちゃんと聞き取れなかったのか寛治が聞きなおしてきた。しかも笑いながら!いちいちムカつくんだよな、こいつの反応!!
「だいたいさー、ゆうすけに聞いたりゅうがバカなんだよ。ゆうすけに恋愛相談は無理だろ~」
「はっ!?恋愛相談!?なんっじゃそりゃー!!かゆいこと言ってんじゃねー!!」
寛治のバカな発言にバッと顔を上げた。
「え?そんなに反応すること?顔赤すぎじゃね?」
「!!うっうるせー!!!」
寛治が少し驚いた顔でそう指摘してきた。恥かしさも加わって余計にムカついたからフンッと鼻をならして顔を窓の方に向けて頬杖に顎を乗せた。
「ったくさ~・・・素直じゃないよな~りゅうは」
「・・・・ふん」
言葉の代わりにもう1回鼻を鳴らした。
それから
「はぁ」
短い溜め息と
「・・・つまんねえの」
小さく零したホンネ。
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