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何がつまんねーって、オレが思ってたのと違うってことだ。
あいつがオレのこと
好きだって、
特別だって
そう言ったから、てっきりオレと同じこと考えてオレと同じことしたいって思ってんじゃねえのかなって思ってたのに!
なのにどうやらそうじゃないらしい。
昔かっらそうだ、
だからムカついてしょうがねえんだよ!!
「りゅうはさ~もっと素直になったほうがいいよ」
横を向くオレに、前の席のやつの机の上に座っている寛治がそう言った。
何だ?また同じ説教か?
自分が一番わかってることを他人に言われると何でか腹立ってくんだよな!
「・・・・・」
だからオレは寛治の言うことには答えないでひたすら窓の外に視線を送り続けた。
「一緒に学校行きたいならそう言えばいいじゃん」
「!?」
だけど次の寛治の言葉にそうしてる訳にもいかず思わずバッと寛治の方に向き直った。
「お昼もさ~一緒に食べたいならそう言えばいいじゃん。どっか遊びに行きたいなら誘えばいいじゃん」
「なっ・・・」
んでわかったんだ?
そう言いたかったけどびっくりして続きが出てこなくて、つい口を開けたまま寛治を見る形になってしまった。
寛治はそんなオレがおかしかったのかフッと口元を緩めて軽く笑った。
「りゅうはただずっと壱花ちゃんと一緒にいたいんだろ?好きなら思って当然のことだよ。何そんな驚いてんの?」
「!!」
何でオレの言おうとしてたことがわかったんだ!?何で簡単に見透かされてんだオレ!?
寛治が笑うのと、寛治に言い当てられたのが気に食わなくて、何か負けたような悔しい気持ちになって、今度は体ごと窓の方に向けてその体勢のままもう一度頬杖をついた。
「フンッ!!」
窓から入る風が火照った顔に直接当たる。
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