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ケンカして
仲直りして
ちょっと素直になれた自分に驚いて
それでまた肩を並べて一緒に歩いて――・・・
「あ、コンタクトが落ちた!」
「はぁ!?何で今!?」
「わっわかんない!けど探さなきゃ!」
久しぶりに2人で歩く帰り道、そう言っていきなり道端にしゃがみ出した壱花。
「~~ったくしょうがねえな」
(コンタクトってそんな簡単に落ちるのか?)
オレも壱花の目の前に同じようにしゃがんだ。
「お前ってホントどんくせえよな~」
「・・・・」
「・・・ん?お前探してんじゃ
ねえのかよ?何して――・・」
人がせっかく手伝ってやろうと
それらしきモノがねえかアスフ
ァルトの上をキョロキョロ探し
てやってるっていうのに、目の
前の壱花はそれをしてる気配が全くない。不思議に思って顔を上げたら・・・
チュッ
「・・・・は?」
「だって、こうしないとりゅうちゃんに届かないんだもん」
「なっ!」
「それに―――・・・」
いきなりの出来事にびっくりしてるオレを差し置いて壱花はさっと立ち上がった。
それから
「キスしたら勉強見てくれるんでしょ?」
そう言ってクスっと笑った。
「――――なっ!!おまっ!どこでそんな顔覚えたんだよ!?」
「へ?そんな顔?」
「今、すっげー勝ち誇ったような顔だった!オレ今すっげー見下されたような気分になった!」
「え?だってりゅうちゃん座っててあたし立ってたし、当然じゃない?」
「だ~~!そういうことじゃねえ~~~!!!」
「???」
いつもは困らす立場なのに反対に困らされたり、
ムカつくことも多いけどそういう日常がずっと続けばいい、
とか、
思う。
どうやったらずっと続くかなんてわかんねえけど、
「ったく!ムカつく!ムカつくから今日は遠回りして帰ってやる!」
ガシッ!
「わっ!え?それが仕返しってこと?」
「そうだバーカ!ザマーミロっての!」
「やっ、別に・・・」
(それはそれで嬉しいんだけどな・・・)
「オラー!遠回りして帰るんだからちゃっちゃと歩けー!」
「わわっ;;引っ張んないでよ!ていうかそれって遠回りする意味なくなる~~~!!」
とりあえず、この手を離さずにいれば大丈夫なんじゃね?
とか、
思う。
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