色彩

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ガラッ 「失礼しま―――・・・あれ?先生いないのかな?」 保健室のドアを開けた。 中はシーンと静まり返っていて、薬品の独特な匂いが充満している。 窓から入る爽やかな風がカーテンが開け放されたベットの上の、真っ白なシーツをはらはらと揺らしている。 今のところ先生もいなければど うやら具合が悪い生徒もいない らしい。まぁ、まだ一時間目だ し、当たり前と言えば当たり前 か・・・。 「えっ!?何で!?保健の先生はっ!?」 「何でって・・・さぁ?何でだろうね?」 まだ俺に腕を掴まれたまま、俺の横に並ぶ壱花ちゃんにわざとらしく笑ってやれば 「え?まっまさか会長の魔力で消したとか!?」 「は?」 普通の人には意味のわからないことを言い出した。壱花ちゃんってけっこうこうゆうところあるんだよね・・・不思議っ子? 「とりあえずそこのイスに座って」 軽くスルーして、彼女の腕を離して先に保健室の中へと入り、それから勝手に保険医のデスクの横にある棚をあけて消毒するのにいるものを取り出した。 「かっ会長がやるんですか!?」 その様子を見てか壱花ちゃんがあせった様子でそう聞いてきた。 「他にいないじゃん。それとも美人で優しい保険医が良かった?壱花ちゃんってそっちの気あったんだ?」 「なっ!ちっ違います!そんなわけないじゃないですか!」 「あそ、じゃあ別に俺でも問題ないでしょ」 「だっ・・・!!なっなんか今日の会長話ズレすぎです!」 「あそ、そうゆう壱花ちゃんはいつも思考回路が人とズレてるよね」 「はっはぁ!?どっどういう意味ですか~~!!?」 「はいはい、何でもいいから早く座って足出して」 「なっ!!」 壱花ちゃんより先にイスに腰を下ろしてもう一度下から「早く」と言えば、 む~~っと膨れっ面で上から俺を睨んで、それからようやく観念したのか俺の目の前のイスに座った。 「・・・クス」 これで目線は同じ高さ。
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