鈍色

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どうして、 「あ、会長!こっちです!」 「・・・・」 どうして、 「会長何にしますか?あたし買ってきますよ」 「・・・・カレー」 「わかりました!じゃあ並んでくるんで少し待っててくださいね」 「・・・・・」 どうして今回に限ってこうも構ってくるんだ? ドンッ! 「あっつ!」 「きゃああああ!すっすいませんすいませ――」 ドンッ! カシャーン! 「うっわ~最悪」 「ひっ!すっすいません!!」 「・・・・・」 (何やってんだよ・・・) 人に当たってラーメンの汁飛ばすわ、謝るために姿勢を屈めたら今度は後ろの人にお尻が当たって水の入ったコップ落とすわ・・・ ホント、バカ以外当てはめる言葉見つからないんだけど。 「すいません!今拭きますから!!」 「ったく何してんのよ」 お昼の食堂。ただでさへ人でごった返してるっていうのに・・・ あんな通路のど真ん中に座り込んで・・・ 被害にあったやつに文句言われて余計焦ってんじゃないの? そんなべちょべちょのフキンで何回拭いても同じだって・・・ みんな邪魔そうに見てるから?だんだん顔赤くなって今にも泣きそうな顔・・・ 「・・・はぁ」 ガタッ 溜め息をひとつついてから腰を上げた。 それからまっすぐ彼女の元へ進んで腕を引っ張って立たせた。 グイッ! 「わぁっ!?」 「壱花ちゃん、ここはもういいから」 「え?でも」 「購買でパン買ってきて」 「えっ・・・でも多分もうおいしいパンは売り切れて」 「いいから。不味くても売れ残りでも何でもいいから適当に買ってきて」 「はっはい・・・」 こちらを気にしながらも素直に食堂を後にした。 そして俺は後の残った処理に取り掛かる。 「ごめんね?水かからなかった?ここは僕が片付けておくから」 「!!そっそんな!かっ会長にそんなことさせれません」 「そう?じゃあ・・・手伝ってもらってもいいかな?」 「はっはい!!」 ニコッ 「ありがとう」 (・・・・ちっ) あ~も~ 面倒くさくてしょうがない。
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