鈍色

5/36
前へ
/473ページ
次へ
どうして、 『ちょっとあなた!どうして今ここにいるかわかってるの!?』 「・・・・?」 (・・・・なんだ?) どうして、 『惚けてもダメだからねー!!ネタは上がってんだから!』 『昨日から私達の会長にべったりくっついて!!どういうつもりよ!?』 『会長はみんなのものよ!抜け駆けは許さなくってよ!!』 「・・・・・・」 (・・・ありえない展開だから) どうして今回に限ってこうも問題を起こすんだ? 「はぁ・・・」 また頭が痛くなってきた。 昨日から何回目だ・・・。 食堂を片付けて購買に向かったけど壱花ちゃんの姿はそこにはなくて、購買のおばさんに聞けばどうやら何人かの女子と一緒に歩いて行ったって・・・ 歩いて行った方向を聞き、俺も後を追いかけるように同じ方向に進めば・・・ 階段の踊り場で1人の女子とそれを取り囲む4、5人の女子。 しかもその4、5人の女子って・・・ (何でよりによって生徒会の女子に捕まるかな・・・) 『いい?会長はだ~れにでもお優しいの!それを勘違いしちゃダメよ!わかったらさっさと自分の教室にお帰り!小娘がっ!』 『っ!!』 今のは確か同じクラスの・・・俺の前では絶対見せない顔だな・・・。 普段は鬱陶しくてしかたがない生徒会の女子メンバー。 だけど・・・うん、今回はなかなか役に立ちそうだね。 『わっわかりました・・・』 『あら、けっこう聞き分けのイイ子じゃない?』 「・・・・・」 (・・・そうそう、怪我する前にそのまま引き下がればい―――・・・) 『先輩方の言いたいことはわかりましたけどコレだけは譲れません!!』 『『『『はぁ~~~~~!!!?』』』』 ズルッ! 「・・・・・・」 (・・・何で) らしくないけどマンガみたいに思わず滑ってこけそうになった。 何で今回に限ってそんなに頑固なんだ・・・;;
/473ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4752人が本棚に入れています
本棚に追加