鈍色

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「・・・・・はぁ」 (何でその状況でそんなこと言っちゃうかな・・・バカなの?やっぱり壱花ちゃんってバカなの!?) ますます頭・・・痛くなってきた・・・。 『ちょっと!!あなたちっともわかってないじゃないの!』 『そうよそうよ!!ふざけたこと言ってんじゃないわよ!!』 『ごっごめんなさい!!だけど会長の右手のケガはあたしのせいなんです!だから―――』 イラッ イライラッ 『そんな口実がうちらに通用するとでも思ってんの!?』 『そーよそーよ!あんた痛い目見ないとわかんないの!?』 イライライラ~ 『ごっごめんなさい!だけど!だけど本当に好きとかの感情はなくって!ただ申し訳ない気持ちでいっぱいなだけで―――』 ――――ブチッ!! “好きとかの感情はなくって” ふーん。 あ、そう。 ふーん・・・なるほど。 なるほど、ね・・・・。 「――――クス。くっくっくっ・・・」 口元が歪む。 自分の声に嫌悪感を覚える。 しかたないなぁ。 ホント、我儘で躾のなってないペットで困るよ。 だけど、いいよ、壱花ちゃん。 何をそこまで拘ってるのか知らないけど、キミの望みどおりにさせてあげる。 俺の右手としてとことん俺に――・・・ 尽くしてもらおうか?
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