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「・・・・・誰だっけ?」
「えっ!?ひどっ!あんだけ弄んどいて~!最低よアナタ!離婚ヨ離婚~~!!」
「はっ。遊んだ女なんかいちいち覚えてないし」
「ひで~~。って、まぁ、俺も3日覚えてたらいい方かな~」
「・・どっちが最低なんだよ」
軽く笑えば、横に並ぶ香月も俺との冗談のやり取りに笑窪を作る。
顔では香月と同じように笑えても
心では笑えない自分がいる。
香月は知らない。
あのゲームに続きがあったことを。
本当の勝者が――――・・・
誰だったのかも・・・。
「・・・・・」
(似てる、か・・・俺も初めは
そう思ったけど・・・けど今は
・・・)
「な~、ところでさ~、職員室に何の用があんの?俺ら」
「・・・え、ああ。別に?何もないよ」
「へ!?けど将生職員室行くってさっき・・・」
「ああ、あんなのあそから出るための嘘だよ。今やらなきゃなんない仕事はぜーんぶ他のメンバーに振り分けたし。俺たちがすることなんて何も残ってねえよ」
「・・・残ってないんじゃなく残さなかったんだろ~。あ~あ~、わっるい男~」
「はは。だからそれ誉めてんのかって」
「ははは~じゃあ誉めてることにしとくわ」
香月とくだらいやりとりをしながらも頭のどこかで思い浮かべるのはもう“ミツ”じゃない。
壱花ちゃん、
俺はいつからか、
もう壱花ちゃんは壱花ちゃんにしか見えない。
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