鈍色

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ちなみに・・・このアンケートを見て気づいたこと。 本人は言わないけど・・・ 壱花ちゃんがここに1人でいることからも察しがつく。 「・・・・ところで、他のみんなは?」 「えっ!?いや、その~・・・習い事やら何やらで帰っちゃって」 「ふーん」 (要は押しつけられたな・・) まぁ・・・予想はしてたけどね、こうなることぐらい。 だって誰も生徒会の役員をやりたくて入った訳じゃないんだから。 「えっと~・・それで・・・」 「・・・・ぷっ」 「・・・・え?」 「ふっ!ふふふ!あははは!」 「????」 「まさか全員が帰っちゃうなんてね!壱花ちゃん相当嫌われてたもんね!生徒会メンバーに!!あはは!」 「なっ!!それは会長が――」 「あははは!だって面白いんだもん!みんな期待通りの反応してくれちゃって!!とくに山崎の壱花ちゃんを見る目!!あれ絶対殺意こもってるよね!!」 「え゛・・・やっぱり」 「壱花ちゃん、帰り道は背後に気を付けた方がいいよ。明日あたり刺されるかもね?ははは」 「なっ!!笑い事じゃな――」 壱花ちゃんが俺が出て行った後、俺目当てで入った生徒会メンバーに囲まれてどんなに居心地の悪さを感じていたのか、どんないびられ方をしてたのか想像すると可笑しくてしょうがない。 俺がメンバーそれぞれに振り分けた仕事を全員に押し付けられ、挙げ句の果てに生徒会室に1人取り残されて・・・ その時の壱花ちゃんの表情を想像すると余計笑える。 「あははは!ほんっと!ウケるんだけど!!」 「・・・・」 「あははは!!お腹いたっ!ん?何?壱花ちゃん?」 腹を抱えて未だ机の上に座ったまま爆笑してる俺の横で、壱花ちゃんは生真面目な顔で俺をじっと・・・観察するような目で見ている。 ったく誰のせいでこんな、腹がよじれそうなぐらい笑ってると思ってるわけ? 息できないんだけど。 殺す気? 死因が『笑いすぎ』とかホント勘弁してほし――・・・ 「あははは―――」 「会長が―――・・・普通に笑ってる」 「―――は・・・・!!!!」 (しまった・・・!!) 素で・・・・ 笑ってしまった。 やばいな、コレ、 ・・・・どうしよ?
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