鈍色

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「ほぉ~!!」 いやいや、そんな興奮して語尾まで上げてくれなくていいから。 「すごい!!!会長のその顔!!貴重です!!」 いやいや、自信満々にそんなこと言われても・・・ やばいな、こんなダサい失敗するなんて・・・ しかもよりによって壱花ちゃんの前? 最悪。 こんなの初めてのことで・・・ 動揺してるかも? いつもはどんな問題にもすぐに対処方を頭の中で見つけることができるのに今回ばかりは少し時間がかかってしまった。 「会長、会長はいつもの変な顔で笑うより今の―――」 「―――壱花ちゃん、この集計、足すとこ間違えてない?数字がおかしい」 「・・・・え、え~・・あっ!ホントだ!・・・と言うことは・・・」 「そうだね、その下も全部ズレてるね」 「・・・・;;」 「あと~・・・横にあるこれだけど」 俺は壱花ちゃんの横に積み上げれている数枚のプリントをホッチキスで止めて冊子にしてあるやつの一番上から2、3冊を手にとってみた。 「これ・・・端っこ、プリントの角がバラバラ・・・ちょっと細かいこと言うようだけどもう少し丁寧にやってくれないかな?」 「・・・はい、すいませんでした」 「・・・・」 俺の指摘に肩を落としてしゅーんとする壱花ちゃん。 小さい体が余計小さく見える。 (・・・・・クス)
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