鈍色

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「・・・・・」 (そうだよね、会長があたしにご褒美なんてくれるわけないんだよね) 「・・・・・」 (ていうか・・・何であそこであの笑顔が返ってきたわけ?あ、やっと頭から降ろした) 「・・・・・」 (きっと『俺からじゃないけど。何勘違いしちゃってんの。ふふん』的な意味で笑って・・・あ!いちごミルクだ!) 「・・・・・」 (ん?今一瞬目が輝いたような・・・好きなのかな?いちごミルク) 「・・・・・」 (昨日も山崎先輩のとこの執事さんがわざわざ差し入れ持ってきてくれたし・・・。せっかくの差し入れだもん、素直に受け取らなきゃバチあたるよね!) 「・・・・」 (まさか・・・俺がちゃんと笑えてなかったとか?・・・いや、まさかな) 「・・・・」 (生徒会ってこういうことがよくあるのかな?そりゃ、学校のために自分の時間削って働いてくれてるんだもんね) 「・・・・」 (けど・・・じゃあ何で・・・いつもならあそこで面白いぐらいビビッて俺から離れようとするのに・・・) 「・・・・」 (ん?そういえば結局誰からの差し入れ?・・・あれ?いちごミルク?・・・え・・・) 「・・・・」 (何で?やっぱり俺が?いやいや・・・それはないない) 「・・・・」 (え・・・いや・・・まさか・・・りゅうちゃん?あ・・・そう言えば・・・あたし、りゅうちゃんに何も言ってないや) 「・・・・」 (まさか・・・) 「・・・・」 (まさか・・・) 「・・・・」 「・・・・」 俺がゆっくりと壱花ちゃんに視線を移したのと、 壱花ちゃんがゆっくり視線を俺に移しのが同時で・・・ 目が合った。
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