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「・・・・かっ会長・・・」
「・・・・・何?」
俺の目を見ながらゆっくりと口を開いた。
さっきまでヘラヘラしてた表情が一変して、急に硬く、強張って・・・どこか緊張してるように見える。
ダメだ・・・。今日は全然読めない。先が読めない。
今から何を言われるかわからないからか・・・変に心臓がざわつく。
何だコレ?
気持ち悪い・・・
「このっ・・・いっいちごミルクは誰からの差し入れですか?」
「・・・・は?」
“誰からの”
は?どういう・・・・
「もっもしかして・・・りゅうちゃんから・・・だったり・・・?」
“りゅうちゃんから”・・・
“瀬田から”
なるほど。
さっきの笑顔は別に俺に向けられたわけじゃなかったって、こと。
ふーん。
壱花ちゃんって本当に・・・
おもしろい思考してるよね。
「・・・ふふ。さぁ~?」
「えっ!?うそ!?え!?まさか!?」
さっきとは違って今度は俺の期待通りの表情を返してくれる壱花ちゃん。
「壱花ちゃん、その瀬田だけどさー、いいのかなぁ?生徒会室に俺と2人きり・・・瀬田に知られたらやばいんじゃない?」
壱花ちゃんからゴクッと固唾を飲み込む音が聴こえた。
「やばいって・・・なっ何がですか?」
「瀬田に言われてんだよね?俺に近づくなって・・・しかも今回は壱花ちゃんの方から俺の右腕になりたいって言ってきたわけだし?それを瀬田が知ったら?」
「・・・知ったら?」
「うーん、そうだなぁ?愛想つかされるかもねぇ?だってこれって・・・浮気、でしょ?」
「うっ浮気!!!?なっ何で!!?だって、あたしただ生徒会の仕事手伝ってただけ―――」
急に声のボリュームを上げて必死で否定の言葉を並べる壱花ちゃん、彼女の目の前に“右手”を突いて、ゆっくり顔を近づけた。
「ふふ・・・事実なんて今からいくらでも作れるんだよ?良かったね~?生徒会のメンバーが全員帰ってくれてて。おかげで手が出しやすい」
ニヤっと口角を上げて、左手を壱花ちゃんの頬に添えた。
「ひっ・・・・!」
ガタッ!!
だけど壱花ちゃんの肌に触れてたのはほんの一瞬で、彼女は目をギュッっと瞑ったまま勢いよく立ち上がり・・・
「のっ残りの仕事は家でしますっ!!しっ失礼します!!」
ドビュン!
という効果音がついてそうな、そんな勢いで生徒会室から飛び出していった。
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