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「・・・パシリ、ねぇ~」
まだ。
まだ視線は上げない。
「オレだったらもっとそれをイイように利用するけどな~」
「は?」
そして少しの沈黙を作ってからゆーっくり書類から視線を外して瀬田の瞳まで持って行き・・
「・・・・クス」
ゾクッ!!
「!!」
ああ、何だ、この顔・・・瀬田でも楽しめるじゃん。
「ククククク・・・」
「!?」
(なぜ笑う!?!?)
追い討ちをかけるように妖しく笑ってみせると、おもしろいぐらい顔色がだんだん悪くなる瀬田。
額に汗まで滲ませちゃって・・
ガタッ…
「はっ!?ちょっちょっ!?こっち来んなよ!!!」
ただイスから立ち上がっただけでこの慌てよう。
まじでウケる。
ガタガタッ!!
慌てすぎたのか・・・
「ちょってめっ何で笑っ―――どわぁっ!!」
ガッタ――――ン!!
イスから落ちた瀬田。
ふっ。アホか。少し落ち着け。
イスから落ちて、床にまだお尻をつけてる状態の瀬田にゆっくりと一歩一歩近づいていき、こいつを上から見下ろせる位置まで来た。
そしてゆっくりと腰を低くし顔
をだんだんと近づけて――・・
「ちょちょちょちょちょまてま
てまてまて!!!あ!つーかお
まっ!右手の包帯どうしたんだ
よ!?あっあれかあれ―――」
テンパってる瀬田を無視して俺は左手を伸ばした。
「ぎゃあああああああ!!!」
グイッ!!
「―――ちょっと耳貸してみ」
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