鈍色

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“もっとさ~気持ちが良くなること頼めばいいじゃん” “・・・・・え?” “例えばキスとか。その先――とか?” “・・・・おお!!” そう瀬田に言ったのは俺。 わざと嗾けるようなこと言ったのは俺。 壱花ちゃんが困ればいいって・・・そう思って言っただけ。 キミがキライ。 キミが困ればいいっていつも思う。 だから俺はキミが嫌がることしかしないし、唯一キミへの関心があるとしたらそれぐらいだし。 あ~なのに・・・ 「・・・・」 (これも・・もう必要ないか) 「・・・・あれ?秋山帰るんじゃなかったんか?」 「・・・え、あ~・・ちょっとね・・・」 何となくまだ家に向かう気になれなくて、ただどこに用があるわけでもなく校内を歩いていると、バスケットコートの前でクラスメートに呼び止められた。 「なぁ!特に用がないならさ~バスケしていかね?」 「・・・・」 「バーカ。そんなわけねえだろ。俺らと違って忙しいんだから。な~秋山!!」 「・・・・やろうかな」 「ほ~らな~・・・って・・・え!?」 「・・・俺も入れてくんないかな?」 「「・・・・」」  
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