鈍色

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この世には化学では説明できない未知なる世界がまだまだ存在する。 そしてそれはここにも。 「・・・前見て歩かないからよく人とぶつかって危ないし」 「そう!!昔っから考え事すると決まって下向いて歩くんだよね!」 「・・・人が言うことは全部鵜呑みにするし」 「そうそう!!人を疑うこと知らないんだよね!!サンタクロースも小学校5年生まで信じてたからね!」 「うわ~、本当にいるんだ、そんなイタイ子」 「わかってないな~そこがかわいいんだって」 「・・・兄バカ」 「うるさいなぁ!だいたい好きな子を執念深く苛めるそっちに言われたくないね」 「あのさ、その決めつけで話するの止めてくれない?いつ誰がそんなこと言ったわけ?」 「あ、かわいくないな~その態度。いいかげん認めれば?そしたら壱花の秘蔵アルバム見せてあげてもいいけど?」 「は?なにそれ?さっきと言ってること違うんじゃない?だいたいそれ、自分が見せたいだけだろ?」 「え?まだそのかわいくない態度続ける気?うわ~じゃあもう見せるのやめとこうかな」 「別にかまわないけど・・・それじゃあこっちも高校での壱花ちゃんにまつわる珍事件についての話はやめとこうかな」 「え!?何それ!?ちょっとずるくない?」 「いやいやどっちが」 「いやいやそっちが・・・」 「~・・・~」 「・・~・・」 「・・・・何してるの?」 「え?」 「ん?」 S極とS極 気がつけばその間には摩訶不思議な関係が出来上がっていた。
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