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それでもまだ打ち解けきれてない砂由に夜中の出来事は話す気にはなれず、当たり障りのない話をしながら食堂へと向った。
まだ春休みのせいか、朝ご飯を作りに来てる寮生はまばらで、北村君の姿もなかった。
気合いを入れていた分、がっかりした。
「やっぱり晶変ね。
何かあったの?」
私の変化を素早く察知して、砂由に尋ねられる。
「晶、夜中眠れなかったでしょ。
辛かったら、買い物、午後からでもいいのよ」
私の様子がおかしいのは、寝不足のせいだと結論付けたらしい砂由が、心配そうに提案してくれるが、午後からは彼女だってやりたい事もあるだろうし、申し訳ない。
春休みは明日までで、明後日は入学式なのだ。
休みの間に片付けなきゃいけない事も、沢山ある。
私は、にっこり笑顔を作った。
「大丈夫だよ。
サッサと済せちゃお」
食事に関しては互いに干渉しあわないが、主食のお米だけは、各部屋に炊飯器が一台しかないので、米をワリカンで買って、常に炊飯器に炊いたご飯を保温しておいて、最後のご飯を食べたほうが研いで炊いておこう、って決めた。
だから、今日の午前中に一緒にお米だけは買いに行こうって、約束してたんだ。
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