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私は砂由を起こさないように注意して、ベッドに入った。
今夜は仕方がないから枕の横に麻袋を置いたけど、明日綺麗なリボンを買ってきてベッドの柵に結ぼう。
寝相が良くない私は、置いておくだけじゃ、なくしちゃいそうだ。
それにしても、いい人だったな。
北村君の笑顔を、思い出す。
彼は、眠れない私を心配して、本当に好意で夜中にわざわざこの麻袋を探してくれたのだろう。
そういう、裏表のない人の良さ全開の優しさって、当たり前のようで当たりじゃないと思う。
あそこで会った二人は全然タイプが違っていて、多分一般的に女の子って本田君みたいなタイプに惹かれるのだろうけど――女の子の扱いも上手そうだったし――私は、北村君みたいな人が良いなぁ、って、思う。
自分の好みを語る事が出来る程、男の人と接してきた訳じゃないんだけどさ。
カーテンに囲まれたベッドに、微かにだけどラベンダーの香りが充満して、不安と淋しさに満ちていた私の心の中がまぁるく穏やかになって、やがて私は眠りに落ちる事が出来た。
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