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「残念だな。まぁ、都合がつかないのならば仕方がない。
本来なら辞すことなんて許さないのだけど、恩返しにそれは筋が通らないからね」
彼は本気で言って、心から笑っていた。
「では、はい。これ名紙。
用事があれば連絡してくれ。それじゃ」
彼はそう言って私に紙片を手渡すと、緩やかに歩んで去っていった。
「ミネ、まだ忘れてないんですか?」
去って行ったビレイグの残影を見つめながら、スティアが咎めるような口調で問う。
「誰だか知らないですけど、思い続けることがその人の為になるとは限らないんですよ?」
「煩い。君に解るのか、サイラスティア!?」
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