2 狭間に上がる産声

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「ミネの意地悪」 「語弊が有りますが、そう認識して頂いても何ら構いませんよ、姫様」 私は続ける。少々嫌味も交ぜながら。 「別に買うなとは言ってないよ。但し、自己負担でねって話。 先程の私の投資の方が幾分か有用だったと思うのだけどね」 スティアの瞳に諦観の色彩が滲み、その目で恨めしそうに見詰めてくる。 諦めるか食い下がるかどちらかにしろ。 「ああ、そういえば」 咒式具を渋々諦めたらしいスティアを横目に、私は再度店員に話しかける。 「第七階位の咒弾をここで扱っていると聞いたのだけど」
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