変化

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あたしは幼少の時、宮崎カンパニーに買われた。 法で禁止されてる日本でも、裏の世界ではよく人身売買が行われる。 宮崎カンパニーはその常連で、社長の宮崎仁(じん)の気に入った子は高値で買われていた。 親を早くに亡くしたあたしを売ったのは実の祖母。 社長に買われてからあたしはもう人形同然だった。 大人の言いなり。あたしの全ての感情が少しずつ薄れていった。 そこで出会ったのが中心街クラン。 クランは身分も権利も関係ない。求められるのは力の強さのみ。 あたしは無我夢中で喧嘩をした。クランの魅力にとりつかれるように。 そしていつの間にかクランが唯一の居場所になっていた。 「チャラ男は一体何者…?…とにかく要注意…だね…」 あたしはようやく眠りについた。
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