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誰ですか?
その扉をドンドンと叩くのは
煩くて仕方がない
僕はこの何もない部屋の中でテレビを観ていたいのに・・・
扉を叩く音のせいで自分が主人公になれなくなった
その音はだんだん大きくなっていき
僕にコッチヘオイデと言っている
外の世界は汚くて部屋から出るものじゃないと幼い僕が言っていたから
今までずっと部屋でテレビを観ていたんだ・・・
けれど 扉の外の人は言っているコッチヘオイデ
嗚呼、外へ出てみようかな
そうしたら僕は本当の僕になれるのかな?
扉を開けろ
扉を開けろ
脳が身体に命令した。
目は扉を探すのだけれど
一向に扉は見つからなくて
扉を叩く音は大きくなり続けて
いつのまにかテレビは砂嵐
扉を叩いた僕は誰ですか?
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