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曇り空に小雨の降る日
花柄の傘から滴る水は
心を映し出すやう
草鞋を脱ゐで宿に向かゑば
遊女は服を乱して
お金を降らせう
子供は無邪気に
心濡らして
手の鳴る方ゑ
追はれて来たのは寺の足下
真っ赤な錆付け
今日も首飛ぶ
指を指されて
民衆集まり
笑ふ先には
悲痛に歪んだ人の顔
強く生きても先は見ゑて
死を待つ命
解るのならば
今夜は静かな部屋で
遊女と二人
甘ゐ蜜を流し合おう
優しく空を見上げれば
血飛沫付けた鬼達
今を耐ゑる
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