プロローグ 空野風彰

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 少女が路地を歩いていると、突然声をかけられた。 「見つけたぞ、お前」  振り返ると、見知らぬ人間がそこにいた。 「未だ、捕まる訳には行かないんだ……」  だから、目撃者は殺す。  オレの為に死ね。  男はうわ言の様に呟いた。 「安心しな、お前の師匠も近々一緒の所へ逝かせてやるよ」  術師の大会で顔を見ておいて助かった。一目で名前が判った。 人影はブツブツと呟き、笑ってナイフを振り下ろした。 「じゃあな。風神の弟子」
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