遠い昔

3/15
前へ
/47ページ
次へ
不意に背後に人の気配を感じた。僕は反射的に振り返った。すると目の前には女の子の顔があった。 「うわっ!」 ビックリした僕は思わず叫んでしまった。女の子はどうやら僕の肩の辺りから小説を覗いていたらしい、そこで僕が振り向いたのだから目の前に顔がきてしまったのだ。 僕はもっと後ろ、僕からもっと離れた所に人がいると思いこんでいたのでビックリしてしまったわけだ。 女の子は一歩後ろに下がり驚いた私の顔を見つめた。そしてクスクスと笑いはじめた。 私もそれにつられてクスクスと笑った。 女の子はとても可愛い笑顔をしていた。今まで出会った女の子の誰とも違う笑顔。 僕はその時に生まれて初めての経験をした。 一目惚れである。 言葉には聞いたことはあったが自分が経験するとは思ってもいなかった。 そもそも僕はあまり惚れやすい方ではない。そんな僕が初めてあった女の子に恋をしてしまう。それだけでも凄い事だと僕は思った。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加