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1年後
僕は気持ちを伝えられないままに1年が過ぎていた。相変わらず僕たちは丘の上で時間を過ごしていた。今だにお昼は僕が作ったオニギリだった。
金曜日の夜。
今日は家の母が同窓会とかで不在だった。今日は父と僕の二人しか家にいない。晩御飯は母が作っていってくれた。
僕と父、二人だけの静かな食卓になった。
父は台所からお酒を持ってきた。だがいつもと違ってコップは2つ持ってきた。1つを俺の前に置きもう1つを自分の前に置くと両方のコップにお酒をついだ。
僕は父に言った。
「父さん僕はまだお酒を飲める歳じゃないよ」
父はしれっと言った。
「まあたまにはいいじゃないか。母さんも居ない事だし」
そう言って父さんはお酒を一口のんだ。
お酒に口をつけない僕を見た父は言った。
「どうした?飲め飲め。遠慮なんてするな」
僕は父に言われるままお酒を一口飲んだ。
喉が熱くなる感じがした。
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