13人が本棚に入れています
本棚に追加
愛知県犬山市の工場…。
そこにエンジンも内装もないRX-7の車体だけがたたずんでいた。
「これから、こいつでお前のレース用車両を作る。」
ひとりの年老いた男が葛城に言う。
「いいですけど、今の車のローンがまだ…。」
葛城は年老いた男に言う。
「心配するな。武藤から話は聞いてる。わしも道楽で車をいじってるが、お前の走りに感動したから、このレースの援助してやるよ。」
年老いた男は葛城に安心を与える。
その男の名は早野茂…。
かつて、ルマン参戦のマシンを手がけた男だが、最近はひっそりと車の修理で生計をたてている。
「お前のお友達の速水にも言いたまえ。お前のチェイサーはもうすぐ完成だと。」
早野の言葉に葛城は感動のあまりに涙する。
一方、増本は、広島にいた。
「ベースはこのRX-7だ。エンジンは福井のフェニックスパワーから来る。このRX-7を今の車より軽くしろ。エアコン、オーディオ類を残したままで。」
増本は大学の自動車研究のために新しいRX-7を用意し、車体の改造をさせた。
同じ、広島でも中村は…。
ウエストスポーツでレース用車両の製作を頼んでいた。
「別にIS-Fを用意したので、レギュレーションにそって、レース用車両を作ってください。」
中村はレースのために新たに用意した、レクサスIS-Fを店の人に預ける。
最初のコメントを投稿しよう!