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「誰かを、探しているの?」
「…………探してない」
僕は彼女を抱きしめた。抱きしめたら、彼女の身体がボロボロな事がよく解った。
細い身体、肉のない骨が出ていて、そして弱りきっている。
でも、彼女は意思を曲げようとはせず、また歩いていこうとする。
「君はどこへいくの? このままだと、君が危ないんだよ―――」
「世界は壊れなくてはいけないから、壊れるために歩くの」
彼女の言葉なんてもちろん、理解出来るはずもなく…
僕はただ彼女を目で追うだけだった。
そのうち、バラバラになって消えてしまうんだろうなぁ。
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