光と共に。

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「―結論を急いではいけない。しかし、ただ結論を待つのもいけない」  ふと気が付けばそこには無数の文字、単語、文がそれぞれ様々な軌道を描きながら移動していた。当然言語もバラバラ。しかし不思議と自分に理解出来ないものは何一つとしてなかった。既に知っていたかのように。 「―このセカイには何時だってキミの疑問に答えが用意されているとも限らない。そして答えがあったとしても、そのセカイにあるコトバで語り尽くせるとも限らない。それでも歩きなさい。キミがキミの足で、セカイを感じて、見つけて来なさい。だから……」  自分の居場所が本当に世界の何処にも存在しないのか?それを確かめる為のチカラが自分にはある。歩みを止めないチカラが。  ………そして目的地も決めないまま歩き続けて、いつかはココに、  戻って来る。  結論を届ける為に。  それまで今はしばらく、この微睡みのなかを漂っていよう………
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