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女が寄る度に彼は後ずさる。
「何で逃げるの?そんなに大切なモノなの、それ?」
「そ、そんなんじゃねぇっ」
「じゃあ、どうして逃げるのよー?」
と、それが自分の手に渡らない事に不満を漏らした時、ついにこれまでと悟ったか、逃げ場をなくした彼は少し押し黙って、
「む、む、胸がっ………、」
「む、胸?」
拍子抜けした上擦った声を出しながら女は自分の胸元を見た。確かに今日は少し露出が激しかったかな、とその大きく開いた胸元の膨らみに手をやる。
「なるほどねぇ」
イタズラな笑みを浮かべながら彼ににじり寄っていく。彼は依然取り乱したまま。そして―
「そぉりゃ」
パシッ。
隙を見て伸ばした女の手は彼の手に持っていたモノを掠め取る事に成功した。
「やっぱり僕ちゃんには刺激が強すぎたようね」
女は得意気にぽーんと手にしたそれを放ってはキャッチしを繰り返す。
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