忠義の士

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「屋敷と金が欲しいからですか?誇りと義を重んじる騎士だった貴方は欲に目が眩んで変わってしまわれたようだ……」 「私は君のことを愚直な男だと思っていたがその考えをここで改める、君は愚かな男だ……アームストロング」 表面上は穏やかだが殺気立った二人のやりとり、もしここに一般人がいたとするなら息苦しささえ覚えただろう。 「良い事を教えてやろうじゃあないか、君や私が着ている鎧や武器の材料となるオリハルコンの出どころがどこかご存知かな?」 「俺は商人でも職人でもない、だからそんなことに興味など無い」 「そうつれないことを言うな……答えは数か月前にくたばった彼女の父親だ、今は彼女の土地だがな、ここではなくもっと山奥の閉ざされた場所にあるがね」 「それがどうしたと言うのだ?何が言いたい?」 アームストロングの声は徐々に怒気を帯び、いつ目の前にいる元上司に殴りかかるかわからない。
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