一つの始まり

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祝典という物を催すとすればこの上無く相応しい雲一つ無い晴れ渡った空の下、たった今豪奢な装飾で彩られた城門を傷ついた鎧を着込んだ騎士が鉄同士がぶつかり合う物々しい音を立てながら門をくぐった。 最初門番は止めようと試みたが重々しい黒を基調とした鎧のデザインと鎧に刻まれた豹を象った紋章を見ると、門番は慌てて形だけの謝罪の言葉を並べて鎧の男に悟られないよう好奇の目を向けて騎士を通す。 門をくぐり抜けた騎士の足取りに迷いは無く、街の中心に位置する古いながらもこれまた悪趣味と言えてしまうほど派手な装飾を施された城へと向かっていく。
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