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私たちが買い物に出ようとしたら突然空が真っ黒になり機嫌の悪い猫のようにうなり始めた。
ミズキはすごく残念がったけどあたしはこんな天気に外に出るのは嫌だった。
結局、宅配ピザを頼むことにした。
ミズキは最後の最後までゴネていた。
「お姉ちゃん。」
「なぁに?」
ピザを頬張りながらあたしはキャンバスに向かっていた。
「いろいろ話したいな。いろいろ教えてよ!」
「あ…とLOTOの当たり番号とか?」
あたしはキャンバスに向かうと口数が減る。
後ろで、まったく!お母さんそっくり何て聞こえてくる。
「ミズキ。あなたの事も聞かせてよ。あたしの忘れてること…教えてよ!」
彼女の方へ向き直って私は、微笑んだ。
「うん!」
私たちはいろいろとお喋りをした。
私は実に多くの事を忘れていたようだった。
親友の事も、初恋の人の事も。
自分の事も。
話疲れて私たちはぐったりと眠りについた。
隣で寝息をたてている少女は私なのだろうな。
きっと間違いない。
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