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「そう言えば…ウルフ族も何やらざわついてますわ」
ヘイムダルは瞼を伏せ、銀の長い睫が扇形の影を作り出す。色白の彼女の口元もいつの間にか笑みの形に変わり、目が覚めたらしいドラゴンの甲高い鳴き声が静かだった室内に響いた。
「確か…前回はシュルバが魔力を失って帰ってきたな」
「炎を扱う魔術師と争ったそうですわ…一体どれ程遊び回ったのでしょう」
「さて、今回はどのような事になるのか…楽しみじゃな」
笑みを浮かべた二人の女性。彼女らの口元には真珠のように輝く鋭い犬歯が僅かに覗いていた。
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