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酷いこと言っちゃった………、ちゃんと謝らないといけないよね? お風呂に入り、そう決心した私は寝る前に隣の憐の部屋にむかった。 深呼吸をしてノックしても返事は帰ってこない。 もう寝てしまったのかと思い、扉を少し開けて部屋を覗いて見ると暗闇の中で何かが小さく呻くような声を出していた。 苦しいのかな? そう思いベッドに入っている憐にそっと近付き声をかけた? 咲「憐、どうしたの?苦しいの?お腹痛いの?」 憐の顔を覗き込むと、そこには声を殺しながら小さく嗚咽を零し泣いている姿があった。 咲「憐?どうしたの?」 憐「…ヒッ…おと…さん…クッ、うぅ…おかっ…さん」 そう言えば憐の両親は事故に遭って死んでしまったとお父様が言ってた。 憐は毎日こうやって1人で泣いて、色んなことを我慢していたのかな? それなのに僕は憐に酷いこと言ったんだ。 そう考えただけで、胸が痛くなるのを感じた。 私は憐の布団に入り込んで隣に寝転がり、憐の頭を撫でた。 咲「辛いよね……僕も、…僕も妹が死んじゃったから分かるよ。でもね?憐が幸せにならなきゃ憐のお父さんもお母さんも悲しむよ?憐が笑わなきゃ泣いちゃうよ?だから…、一緒に笑おうね?」 その時憐が少しだけ晶と重なった。 家族の居なくなった憐と、友達が私しか居なかった晶が――…。 だからほっとけなくて、倖が私に言ってくれた言葉を憐にも伝えた。 すると少し落ち着いたのか、憐の嗚咽が少し治まった。 憐「いっ、しょに?」 咲「うん、一緒に…」 そう言って、憐を抱き締めて頭を撫で続けた。 憐は小さく頷いて、目を擦りなんとか泣き止もうとしていた。 その日は憐と私は同じベッドで手を握る様にして眠りに付いた。 私は汚い。 この時、罪滅ぼしに、私の罪悪感を少しでもぬぐい去る為に、憐を利用してしまったのだから――……。
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