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「怖くなんかないよ、きっと」
「…でも」
「これを持っておいき」
芙蓉は女に小さなにおい袋をわたした。女は受け取れるはずのないものが、確かに自分の手のひらの中にあることに、驚いていた。――だって彼女は幽霊だから
「結局…彼も亡くなっちゃったんだよね?」
「……はい」
「だったら尚更だね、早くいっておやり。待ってるよ、彼。」
芙蓉が話しを進めていくが、女は何がなんだかわかっていないようだった。
「あ、あの「占いの結果」え……」
『汝の悩み、解決す。後、幸せあり』
「あんたの悩みはね、解決してさ、その後には幸福が待ってるんだよ。」
「ほ、本当に…?」
芙蓉はにっと笑った
「信じるも信じないもあんた次第。でもね、これだけはいえるよ。あんたがやった事は後悔しちゃいけない。周りは関係ない。責任は自分にある。自分に自信を持ちなさい」
「………はい」
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