一の巻

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「怖くなんかないよ、きっと」 「…でも」 「これを持っておいき」   芙蓉は女に小さなにおい袋をわたした。女は受け取れるはずのないものが、確かに自分の手のひらの中にあることに、驚いていた。――だって彼女は幽霊だから     「結局…彼も亡くなっちゃったんだよね?」 「……はい」 「だったら尚更だね、早くいっておやり。待ってるよ、彼。」     芙蓉が話しを進めていくが、女は何がなんだかわかっていないようだった。     「あ、あの「占いの結果」え……」       『汝の悩み、解決す。後、幸せあり』       「あんたの悩みはね、解決してさ、その後には幸福が待ってるんだよ。」 「ほ、本当に…?」     芙蓉はにっと笑った     「信じるも信じないもあんた次第。でもね、これだけはいえるよ。あんたがやった事は後悔しちゃいけない。周りは関係ない。責任は自分にある。自分に自信を持ちなさい」     「………はい」    
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