一の巻

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「あんた、すっごくいい女だね。さっきの女とはえらい違いだよ」 「…………え?」   顔を上げた女は芙蓉をみた。――この人はは一体…     「好きなヤツのために、そこまでできたあんたはいい女だよ。でも、辛かったんだね。残してきた人の言葉が、痛かったんだろう」     どうして、話してもいないのに私の事がわかるのだろう?どうして、こんなに私の気持ちをくんでくれるのだろう?   はらはらと女の目から涙が流れた。     「みんな…わ、わたしを……彼は悪くないのに!!」 「………うん。」     芙蓉は女の話しにただ頷いて聞いていた   「だから、だから私……怖くて、逝けないんです……」 「そっか」    
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