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そうだよね。
私が逆の立場なら、泣きわめいて話にもならなかったかも…
信じてもらえないかもしれないけど、ちゃんと話さなきゃ。
話を聞いてもらえるだけ幸せなんだから。
「…ごめん。
でも本当に何もないの。
葵くんが、もうすぐ彼女の誕生日だからプレゼントを選んでほしいって。
指のサイズも同じだったからはめたりして…」
呆れられるのを覚悟して言ってみた。
でも心は予想外に、真っ直ぐな目で私を見つめている。
「…それ…
信じていいんだな?」
「も…もちろん」
すると心は再び、ふーっと大きなため息をついて、仰向けのままベッドに寝転がった。
「よかった…
これで答えが出た」
「答え?」
私が首を傾げると、心は苦笑いを浮かべてつぶやく。
「…これはたぶん、葵の自作自演だよ」
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