止まらない想い

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翌日から私の生活は激変した 仕事が終わると誰の誘いも受けず 飛ぶように家に帰る 食事をし入浴を済ませ 12時まで仮眠した そして勇介の部屋へ 自転車を走らせる よほどの事がない限り 私は毎日彼の部屋に通った どうしても行けない日は 前日にその旨を伝えた 【桂】は日曜が定休日だったから 私達は昼から出掛ける時もある 私は思い立って勇介を電気屋に誘った 「テレビ買おうよ」 勇介の部屋には何もない パイプベッドと小さなタンスがひとつ 台所には包丁と鍋がひとつ 最低限の食器があるだけだ 「テレビなんて見ねぇよ」 勇介は言うが 「あたしが見たいの!」 私はそう言って 無理やり小さなテレビを買った 「いらねぇのに…」 彼は言いながら 小さく笑った
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