止まらない想い

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部屋に戻った私達は それぞれに動き出す 勇介はテレビを繋ぎ 私は夕食の支度をした 注文通り親子丼を作り つまみを何品か用意した 出来上がった時 勇介はテレビを見ていた 私は声をかける 「勇介…食べよ」 「あ…うん……」 画面はバラエティー番組を 映し出している 「テレビあると明るいでしょ?(笑)」 私が言うと勇介は 「そうだね……」 と素直に頷いた 「意外……(笑)」 「なに?」 「別にって言うと思った(笑)」 「なんだそれ(笑)」 勇介とこんな些細な会話が出来る事が 私は嬉しかった 私達はその日 たくさんお酒を飲んだ 勇介は酔うと いつもより少しだけ よく喋った 「あのさ……」 「ん?」 「彩は…何で俺の事聞かないの?」 「勇介の事……?」 「うん………」 私が何の事か分からず 首を傾げると勇介は言った 「俺の…子供の頃の事……」
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