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クレインはサーリアをベッドに寝かせ刺客二人を調べた
(この胸当てとピアスは…ラズエルの密偵か…)
刺客の所持品と話し方、持っていた武器の作りからラズエルの密偵だとわかった
二人を調べて処理した後クレインはサーリアを見る
「優しい顔だ…」
それから少ししてサーリアが目を覚ました
「もうじき祭りが始まる…もう私に貴女を殺すつもりはないから早く行け」
クレインが去ろうとするとサーリアが手を引いた
「ありがとう…ねぇ、刺客さんも一緒に行きましょうよ!」
そう言ってサーリアはクレインを引っ張り街の広場にいるカイリア王の下へ向かって行った
「遅かったなサーリア、その者は?」
カイリア王がクレインに気づく
「お父様、この方は私を刺客から助けてくれました」
「違う…私もサーリア姫の暗殺に来た刺客だ…」
クレインの言葉にカイリア王は大笑いをした
「ふははは!刺客でも目を見ればお主が優しい者だとわかる。サーリアと仲良くしてやってくれ!」
カイリア王はクレインの肩を叩いてサーリアの横に座らせた
「なぜ…なぜこの国の人はこんなにも温かい…?血で汚れた暗殺者である私に優しくしてくれるの…?」
バル以外に初めて人に優しくされたクレインは誰にも気付かれなかったがいつの間にか涙を流していた
カイリア王、サーリア姫、カイリア王国の民の笑顔を見ているとクレインも自然と笑顔になっていた
その笑顔はクレインが家族を失い血塗られた暗殺者となってから初めての笑顔だった
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