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祭りが終わるとサーリアはクレインを自分の部屋に呼んだ
「刺客さん、そろそろ貴女の名前を教えてよ」
サーリアがベッドに腰掛けクレインに尋ねる
「私の名前はクレイン…」
本来なら密偵が名前を明かすのは良くない事だがクレインは自分の名前を言った
「クレイン…良い名前ね。今日は助かったわ。ありがとう!」
王女と言えどまだ17歳の少女
二人で話しをしているとクレインはサーリアが本当の妹のように感じた
「サーリア姫、もう夜遅い…早く休むべきだ。あなたが眠るまで居て上げるから…」
「うん。わかった。あ、私の事サリィって呼んでね!」
サーリアはベッドに入ってそんな事を言った
それから色々な事を話していたがさすがに疲れていたらしくクレインがちょっと目を離した間にサーリアは眠っていた
(この子はきっとまた命を狙われるだろう…)
サーリアの寝顔を見ていてクレインは今までなかった感情が芽生えている事に気づく
常に非情でなければ暗殺者が決して持ってはならない感情…慈愛の心である
「サリィ…私があなたを守る…例え国を裏切る事になっても…」
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