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「やめろーっ!!」
ガーランドに対し無謀としか言いようのない突撃。武器もなく防具もない。それでも、義裕には黙っている事など出来なかった。
ドーン!!!
その時、ちょうど一機のガーランドが撃った弾が倉庫に命中する。
「うわっ!」
倉庫は轟音と共に吹き飛び、外壁が義裕に向けて倒れてくる。
義裕は大量の瓦礫の下敷きになってしまった。
●
「やれやれ、騒がしいな。」
ガーランドが破壊活動を行っている倉庫郡から少し離れた一角。開発中という表示が置いてある興廃した区域に買い物袋を下げた男がふらりと歩いていた。引ったくり騒ぎのときに義裕が出くわした男だ。
男は、ネギが突き出した買い物袋を片手に何もないさら地を悠然と歩いていた。
「まったく、不粋な奴らだ。」
男は倉庫の方を一瞥すると区画の奥に向かって歩き出す。
「ふむ、当たりかな。」
男は一人呟くと歩みを止める。
すると、眼前に砲弾が飛んで来て爆発する。男が先程までのスピードで歩いていれば今頃跡形も残らず消えていただろう。
砲弾は、倉庫の方角から飛んで来ていた。ガーランド達と基地の守備隊との戦闘の流れ弾だろう。男はまるでこれを予想していたような動きだった。
「ビンゴ、だな。」
男は再びつぶやく。
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