3人が本棚に入れています
本棚に追加
-新連邦保有人工島・E3-
綺麗に区画整理され、殺伐とした雰囲気さえ感じられる道路
「はあ、はあ、まずい…このままじゃ遅刻だ。」
そこを、軍の学生服に身を包んだ少年が駆け抜けていく。
「このままじゃ教官に何言われるか…」
少年は更に速度を早め走る。
「キャーッ!誰かぁーっ!!」
突如、悲鳴が響き渡った。
「!!?」
少年が悲鳴のする方向を見ると、女性が覆面をした引ったくりにバックを奪われているようだった。
「このっ!待て!!」
少年は引ったくりを追い掛ける。
「待てっつってんだよ!」
少年は引ったくりをひたすらに追い掛けていく。
すると、前方に一人の男がふらりと歩いてくる。
「どけっ!」
引ったくりが男に怒鳴る。しかし、男は気にもとめず悠然と歩いている。
「このっ!」
引ったくりは、懐からナイフを取り出した。
「どけ!」
引ったくりはナイフを振り回す。が、男は引ったくりなど眼中にないようでただひたすらに歩いている。
「おいっ!避けろ!!」
少年は叫ぶが、男は聞く耳すら持たない。
引ったくりのナイフが男の首に迫る。
最初のコメントを投稿しよう!